2011年10月3日月曜日

“森の木陰”風、広い駐車場の喫茶店…コーヒー一杯で様変わり


関西で喫茶店を展開する企業各社の差別化戦略が顕著になってきた。店内の雰囲気を“森の木陰”風にして店内のイメージをがらりと様変わりさせたり、マイカー客を想定して広い駐車場にしたりと、“コーヒー一杯”にも特色づくりに懸命だ。
 外食産業の心斎橋ミツヤ(大阪市中央区)が大阪・難波に今年4月開業した喫茶店「カフェブレークトゥザフォレスト」は、通常の喫茶店に比べて照明を落とし、森の木陰をイメージして店内に植栽を配し、壁面に緑のディスプレー(装飾)を施すなどしたところ、OLらの来店数が急増した。
 同社はこれをヒントに、既存店のセルフ方式の喫茶「ブレーク」(約10店舗)を改装する際に、通行客や周辺店舗など店舗の立地特性を生かし、「トゥザフォレスト(森へどうぞ)」などのサブタイトルを店名に付して店内装飾を一新。「新たな顧客層の獲得につなぎたい」(小儀俊彦常務)と意欲を示す。
 全国に412店の喫茶店を展開するコメダ(名古屋市東区)は、関西圏や首都圏への出店を加速し、早いうちにまず500店を達成したい考えだ。そのために、大阪事務所を今月に移設し、従業員教育ができるトレーニングセンターを併設。
 関西では大阪など4府県に28店舗を出店しているが、フランチャイズ(FC)方式を中心に、マイカー客に配慮し広い駐車場を備え、座席もゆったりとした配置にして、「ファミリー層からビジネスマン、主婦層まで顧客として来店してもらえる店づくりを進める方針」(同社)という。
 高級感を演出する喫茶「英國屋」を展開する三和実業(大阪市中央区)は今春までに、大阪・キタとミナミにスイーツ喫茶「カフェグランシェ」をオープンしたが、「季節感のあるケーキなどが楽しめる」と女性客に評判を呼び、客単価は約千円と好調に推移。今後は「立地によりグランシェの出店を新路線として打ち出したい」(松本孝会長)と話す。
 また、イノダコーヒ(京都市中京区)は、京都府内では観光客向け、大阪府など京都以外の百貨店や商業施設に出店する場合には、知名度を生かし買い物客らをターゲットとするなど、地域に応じて出店戦略を使い分ける。

0 件のコメント:

コメントを投稿