2012年3月21日水曜日

世界が認めたジョー山中さん 追悼ベスト盤



インターネットの普及で世界はどんどん狭くなっているのに、日本のミュージシャンにとって世界の市場は遠ざかるばかり。欧米では韓国勢(K-POP)の活躍ばかりが目立つ。
 しかし、ネットが登場するはるか昔、1970年代には、世界が認めた日本のミュージシャンが少なからず存在した。昨年8月、肺がんのため64歳で亡くなった俳優兼ロック歌手、ジョー山中は、その数少ないバンド、フラワー・トラヴェリン・バンドのボーカリストとして活躍した。先ごろ出た彼の歩みを振り返る公式メモリアルベスト盤「バンブー・グラス」を聞けば、彼が世界に通用する卓越した才能を持っていたことが分かる。
 一般的には、当時50万枚を売る大ヒットとなった映画「人間の証明」(77年)の主題歌で知られるが、やはり彼の真骨頂はフラワー・トラヴェリン・バンドの代表作で、いまも欧米のロックマニアの間では名盤として語られる「SATORI」(71年)で発揮されている。
 このベスト盤ももちろん「SATORI」の楽曲群を収録しているが、空気を切り裂くような鋭利なハイトーンボイスは唯一無二のものだ。
 ジャケット写真は英ロック歌手、デヴィッド・ボウイの作品で世界的に有名なカメラマン、鋤田正義(すきた・まさよし)さんが撮影。(岡田敏一/SANKEI EXPRESS

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