2011年9月4日日曜日

奈良県南部 5千軒が停電、孤立 鉄砲水が住宅襲う


奈良県十津川村野尻の山間部。3日夕、木造2階建ての村営住宅2棟を鉄砲水が襲った。「土砂に埋もれた」。村役場に通報は届いたが、2世帯の家族ら11人のうち、子供3人を含む計7人が濁流にのみこまれた。4日早朝から捜索が再開されたが、道路や通信、送電網が寸断され、村での活動は困難を極めている。
 県や県警によると、2棟のうち村職員の岡修作さん(33)宅は妻と子供2人、もう1棟のバス運転手、浦上圭三さん(33)宅は妻と子供2人と親類3人がいた。
 4人は救助されたが、岡さんの妻、美佳さん(36)の死亡が確認された。一方、岡さんと長男の青希(しょうき)ちゃん(4)、長女のいちるちゃん(1)、浦上さんと長男の小学6年、和哉さん(11)、浦上さんの妻の両親で山本忠美さん(57)と恵子さん(60)夫妻の7人の行方が分からなくなっている。
 さらに、一夜明けた4日午前7時ごろには十津川村に隣接する五條市大塔町宇井でも、崩落した土砂の影響で天ノ川の流れが変わり、川沿いの住宅4~5棟が流出して崩壊。高齢者を中心に住民ら11人が行方不明に。また、川を見に行った近くの西森千恵子さん(67)が土石流に巻き込まれ、死亡が確認された。
 いずれの現場も道路網が寸断されている上、十津川村の水力発電所の建屋が水没して機能を停止するなど、県南部で一時約5千軒が停電。電話など通信網も遮断されて孤立している。発電所近くの住宅も倒壊し住人ら3人が所在不明という。
 また、3日夜には天川村坪内の教職員住宅が流され、中学校講師の大原千幸(ちさ)さん(39)も行方不明に。同村は川に土砂などが流入して水位が上昇しダム状になったため、村内全域に避難を呼びかけた。

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